沖縄の観光客、2020年度は250万人に 前年度の3割を割り込む


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 沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB、下地芳郎会長)は25日、2020年度の入域観光客数が250万人にとどまるとの見通しを発表した。新型コロナウイルス感染症の影響によって人の移動が大きく制約され、19年度の946万9200人の3割を割り込み、1988年度並みの水準となる。20年11月時点では年度で370万人を目標に設定していたが、届かない見込み。

 年末年始にかけて全国で新型コロナの感染が拡大し、「Go To トラベル」の一時停止や緊急事態宣言の発令が影響し、年度目標をさらに下回る形となった。

 21年度も不確定要素が多く、見通しは困難としているが、ワクチン接種の進展具合に応じた三つのシナリオを想定した。

 最も理想的とするワクチンが普及した場合は、国内客が19年度並みの670万人を見込み、外国客30万人を合わせた計700万人の数値を想定する。

 ウイルスの変異により、20年度と同様に感染の波を繰り返す最悪のシナリオでは、入域客数400万人と設定した。観光業界などで感染防止対策が進んできたことなどから、最低の場合でも20年度よりは持ち直すことを想定している。

 21年度からの観光誘客について、下地会長は「県内市場獲得や県外の情報発信にも一定程度の予算が必要だ。改めて県には(観光予算額の拡充を)強く要請していきたい」と話した。

 OCVBは、21年度の入域客数は「Go To トラベル」の再開めども影響すると見ている。今後、3月以降に実施を予定する県の「おきなわ彩発見キャンペーン」第3弾で県内旅行を喚起していくほか、県外への沖縄観光PRで誘客に取り組む。

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