辺野古土砂「遺骨混じる表土は使わぬ」 糸満の採掘業者、石灰岩層使用と主張


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「遺骨が混じった土砂を商品として出荷することはあり得ない」と本紙の取材に答えた採掘予定業者の男性=4日、糸満市西崎

 【糸満】沖縄戦の戦没者とみられる遺骨が見つかっている糸満市米須の土砂採掘予定地について、採掘業者代表の男性が「出荷する土砂は表土以外の琉球石灰岩部分だ。遺骨が混じった表土を商品として出荷することはあり得ない」との認識を示した。4日に本紙の取材に答えた。

 業者代表の男性によると、採掘予定量は約25万立方メートル。「遺骨が混じっている表土は完全に剥離して残し、最後に埋め戻しで使う」と説明した。「遺骨が混じった土砂が搬出されるという誤解が県内外に広がっている。琉球石灰岩部分に遺骨が混じっていることはあり得ない」と強調した。

 遺骨収集については「県戦没者遺骨収集情報センターが収集を進めている。遺骨収集をしないと言ったことは一度もない」と答えた。表土の剥離に重機を使用した際、遺骨が損傷する可能性については「多少あると思うが表土を搬出するわけではない」とした。表土は約2千~3千立方メートルで、埋め戻しに足りない分は「県内の建設残土を受け入れる可能性がある。残土がなければ造成する。埋め戻した後は果樹と桜を植える予定」と話した。

 業者代表の男性は「実績を残せば可能性は出てくる」として、名護市辺野古の新基地建設の、埋め立て事業への参入を視野に入れていることを本紙の取材に明らかにしている。

 土砂採掘を巡っては、辺野古の新基地建設を進める沖縄防衛局が昨年4月に県に設計変更を申請した。糸満市を含む本島南部から約3200万立方メートルの土砂調達が計画され、戦没者の遺骨が含まれた土砂の使用を懸念する声が上がる。

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