【動画】葉っぱの上の小さな世界 〜海草藻場〜 <沖縄・海の生き物たちVol.37>


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葉の上に数ミリの大きさの貝も

海に生える植物には、大きく2種類あるって知っていましたか?1つは海藻類。ワカメや昆布、アーサやモズクなど、私たちが食べる海の植物はみんな海藻の仲間です。それに対して、海に生えるけれど陸の植物の仲間なのが、海草(うみくさ)類です。これが生える場所を海草藻場(うみくさもば)と言います。

沖縄で一番普通に見られる海草は、リュウキュウスガモ。海草類は海の中で地味な花を咲かせ、水中に花粉を漂わせて受粉し、実を結びます。リュウキュウスガモの実は2センチくらいの球状で、実が割れて花のように開くと、中から種が転がり出て、種から根と葉が伸びて成長していきます。

海草類の葉っぱの上には、いろいろな海藻や生き物が住み着きます。例えばモズクは「藻に付く」という意味で、この場合の「藻」は海草のこと。モズクの胞子体が海草の葉に付いて伸びるんです。また、海草の葉には微細な海藻も生えるので、これを食べる小さな巻貝たちが住み着きます。葉の上で暮らす貝の大きさは数ミリ〜1センチ程度。海草の葉をじーっと観察すると、貝が見えてくると思いますよ。

沖縄には10数種の海草類があり、そのほとんどが準絶滅危惧種。それは、海草藻場が広がる浅瀬が、埋め立てで日本中からどんどん失われてしまった結果です。海草と、そこで暮らす小さな生き物たちの世界、大事にしていきたいですね。

Vol. 37 リュウキュウスガモ

Thalassia hemprichii

● 目:オモダカ目 Alismatales

● 科:トチカガミ科 Hydrocharitaceae

● 属:リュウキュウスガモ属 Thalassia

 

動画撮影: 
リュウキュウスガモ  2021年3月2日(浦添市 西海岸パルコ前) 
モズクの仲間  2021年3月2日(浦添市 西海岸パルコ前)
葉上貝類  2011年6月19日(浦添市 カーミージー)

動画撮影・編集&執筆

鹿谷法一(しかたに・のりかず しかたに自然案内)

琉球大卒、東大大学院修了、博士(農学)。広島に生まれ、海に憧れて1981年に沖縄へ。専門はカニなどの甲殻類。生き物の形とはたらきの関係に興味がある。最近は、沖縄の貝殻を削って磨くシェルクラフトを行っている。

鹿谷麻夕(しかたに・まゆ しかたに自然案内)

東洋大、琉球大卒。東大大学院中退。東京に生まれ、20代半ばでサンゴ礁に興味を持ち、1993年に沖縄へ。2003年より、しかたに自然案内として県内で海の環境教育を始める。しかたに自然案内代表。手作りぬいぐるみで海を伝える、あーまんシアターも主宰。

 

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