医師の柱は「非戦」 憲法講演会で徳田氏、平和語る


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 憲法記念日の3日、2021憲法講演会(県憲法普及協議会、沖縄人権協会、日本科学者会議沖縄支部)が那覇市泉崎の琉球新報ホールで開かれた。群星沖縄臨床研修センター長で南城市出身の徳田安春医師(57)が講演し、「医師にとって最も重要なことは、戦争をさせないこと」と述べ、日頃から平和活動をする意義を語った。

 徳田医師は、東京・聖路加国際病院に勤務していた際に、元院長の日野原重明さんと交わしたやりとりを紹介。日野原さんから医師として戦争をさせない重要性と、「戦わない『不戦』ではなく、積極的に戦いをさせない『非戦』が大切」だと学んだエピソードを語った。

 医師の立場から「米軍基地は人権だけでなく健康問題」と指摘。米軍関係者による事件事故や、基地による騒音や環境汚染によって病気のリスクが高まるとし「病気になった患者を診るのはわれわれで、黙って治療するだけでは済まない」と述べ、医療者が平和を発信する理由を明かした。今後も平和活動を続けると明言し、来場者に「皆さんも活動をお願いしたい」と呼び掛けた。

 宜野湾市の緑ヶ丘保育園で2017年12月、米軍機の部品が落下した事故を機に、同園の保護者を中心に結成した「チーム緑ヶ丘1207」の宮城智子さんも活動を報告した。保育園の上空を飛ぶ米軍機の映像などを流し「私たちが訴えているのは飛行ルートを守り、保育園の上空を飛ばないでほしいということ」と強調。「子どもたちが安全に遊び、学べる環境を求めて、私たちは諦めません」と語った。新型コロナウイルス対策のため、会場の参加者は150人に制限し、オンライン配信も行った。

人数を制限して開催された2021憲法講演会で登壇者の話に耳を傾ける来場者ら=3日午後、那覇市泉崎の琉球新報ホール
徳田安春氏

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