コロナで制限される民生委員の活動「地域の状況見えなくなった」


社会
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生活困窮者の支援に取り組む那覇市民生委員児童委員連合会の眞榮城嘉政会長=4月16日、那覇市真地

 地域を歩き、生活の苦しい人たちに寄り添うのが民生委員児童委員だ。那覇市民生委員児童委員連合会(約350人)の眞榮城(まえき)嘉政会長(72)は、真和志地域で委員になって四半世紀がたつ。新型コロナウイルスの感染拡大で活動が制限された、この1年。「支援が必要な人に手が届かなかったかもしれない」と顔を曇らせる。

 同連合会の2020年度の相談・支援活動は8721件(速報値)で、19年度の1万6512件からほぼ半減した。眞榮城さんは「訪問・相談活動ができないと、地域の状況が分からない」と話す。週1回のデイサービスも、感染防止のため中止になった。「情報共有の場にもなっていた。地域の人の状況が見えなくなった」と打ち明ける。

 一方、相談・支援活動は半減したものの、仕事に関する相談は前年度とほぼ同数だった。生活費に関する相談も約14%の減少にとどまり、眞榮城さんも1世帯、生活保護につなげたという。「民生委員にとっても非常にしんどかった1年」と振り返りつつ、広報誌の全戸配布を通じて地域をじっくり歩くつもりだ。

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