社会

巨大ウミガメ立ち往生…「亀仙人」ら20人で救出 ビーチパーティー避け迷った?

海に戻る途中の岩礁で身動きが取れなくなったアカウミガメ=5日、糸満市喜屋武の海岸(徳村弘輝さん提供)

 沖縄県糸満市喜屋武の海岸で5日、産卵後、岩礁で身動きが取れなくなっているアカウミガメが発見された。地元の市民やカメを愛する「亀仙人」、警察官、水族館職員など約20人が駆けつけ、カメの救出劇が繰り広げられた。

 「産卵を終えたウミガメが海に戻っていない」。5日、午前9時ごろ徳村弘輝(こうき)さん(66)=同市喜屋武=は自宅に訪れた知人から知らされた。徳村さんは県内のラジオ番組に「亀仙人」のラジオネームで投稿するなど、亀好きとして知られる。9年前からは散歩がてら、喜屋武漁港周辺の浜でウミガメの産卵を守るため、自主的な「パトロール」を実施している。

 知人の知らせを受け、徳村さんは現場の海へ直行。喜屋武漁港から南に約500メートルに位置する浜。潮が引いた岩礁の上で、アカウミガメ1匹が動けなくなっていた。海まで残り約15メートル。ウミガメは浜で産卵を終え、海に戻る途中だった。

 ウミガメを確認した徳村さんは「人手が必要だ」と判断し、110番通報。糸満署の小波蔵と米須の駐在所から警察官2人が駆けつけた。うわさを聞いた地元の市民も集まった。市民はウミガメの体温が奪われないようにビニールシートをかぶせ無事を祈った。午後には警官から電話で知らせを受けた沖縄美ら海水族館でウミガメを担当する真栄田賢さん(45)ら2人の職員が到着。2人は手慣れた手つきでウミガメをネットで覆い、プラスチック製のかごに乗せた。職員、徳村さん、警官、市民の大人8人でカメをトラックまで運び、無事救出した。

【動画と写真はこちら】カメは100キロ!救出の様子

 


「軽傷で良かった」とアカウミガメの無事を喜ぶ「亀仙人」こと徳村弘輝さん=5日、糸満市喜屋武の海岸

 真栄田さんによると、ウミガメは20~30歳くらい。体長約1メートルで体重約100キロ。「けがは軽く元気」だという。5月から9月はウミガメの産卵期。今回、カメが海まで戻れなかった原因として、真栄田さんは「ゴールデンウィーク中でビーチパーティーなどをしている人がいたのではないか。ウミガメは明かりや人の気配を嫌う。いつもと違う場所で産卵したり、違うルートで海に戻ろうとした可能性がある」と分析した。救出されたカメは今後、美ら海水族館で保護し、けがの状態を見ながら海に帰される。

 亀仙人こと徳村さんも「軽傷で良かった。パトロールは死ぬまで続ける」と愛用の眼鏡を指でくいっと上げ、目を細めた。

 

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