【深掘り】玉城知事BBQ釈明に広がる波紋 県の感染対策との整合性は


【深掘り】玉城知事BBQ釈明に広がる波紋 県の感染対策との整合性は
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 新型コロナウイルス感染症防止のために同居家族以外との飲食を控えるよう県民に呼び掛けている中、大型連休中に同居していない家族とバーベキューを実施した玉城デニー知事の行動が、波紋を広げている。玉城知事は会見で感染対策上の問題はなかったと説明したが、会食は「4人以下で」「同居家族と」という従来の県の説明を覆すような主張が見られた。県行政トップの言動を巡り、議会でも追及され政治問題に発展する可能性もある。

 7日の記者会見で、「まん延防止等重点措置」の延長に関する認識を示した玉城知事に記者団からバーベキュー問題についても質問が上がった。

 玉城知事は距離を取るなど対策を取っていたため、同居していない家族とでもバーベキュー自体は問題ないとの認識を示した。だが、実際は屋外のバーベキューでも感染事例が確認されており、県は注意を呼び掛けている。

 玉城知事は、多い時で6人がその場にいたことも明らかにした。県が会食を同居家族に限るよう呼び掛けていることとの整合性について、「見知らぬ方との飲食を控えてということ」と主張し、家族とのバーベキューは「いわゆるビーチパーティー的な不特定多数が集まるバーべキューと性格が異なる」との見解を示した。数人の記者が手を上げていたが県は質疑を打ち切り、会見は通常より短い約20分で終了した。

 一方、7日午後に取材対応した、県の糸数公医療技監は「県としては同居家族以外は会食を控えるよう求めている」と話し、あくまで従来の要請内容を変えていないと強調。玉城知事の説明と乖離(かいり)が残った。

 県議会与党にも、知事の発信や釈明に戸惑いが広がる。ある議員は「今は友人や知人との会食も自粛している。それは『見知らぬ人』ではないだろう。素直に謝れば良かったのに、これでただの炎上ではなくなった」とつぶやいた。別の与党幹部は「公に『山の神』などと発信すると、攻撃材料を余計につくることになる」とため息をつく。一方、自民県連幹部は「もちろん追及材料になる」と手ぐすねを引く。別の議員も「我慢している県民のことを考えたら、トップがこんなことは発信できない」と批判を強めた。ただ、自民会派は、昨年10月の離島視察で地元首長らと懇親会をし、12人が感染した経緯があり、どれだけ強い追及ができるかは不透明だ。

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