【経緯表】2度の推薦、コロナで延期…ここまでの流れ<沖縄・奄美 世界遺産>


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ピナイサーラの滝の上から見下ろす緑豊かなマングローブと船浦湾=2020年3月、西表島上原

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界自然遺産登録を目指す「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」を巡り、ユネスコの諮問機関・国際自然保護連合(IUCN)が10日、世界遺産への「登録」を勧告した。正式な登録は、7月16~31日に開かれる世界遺産委員会で審査されて決まる。

 諮問機関は通常、世界遺産委の6週間前までに勧告を出すことになっている。勧告は「登録」のほか、「不登録」、推薦国に追加情報を求める「情報照会」、推薦書の再提出を求める「登録延期」の4段階がある。世界遺産委も同様の4段階で審査する。

 世界遺産委の決定に影響力を持つIUCNが「登録」を勧告したことで、世界遺産登録に向けて大きく前進した。

 「奄美・琉球」を巡っては、政府は当初、2018年の登録を目指し、17年に世界自然遺産候補に推薦したが、IUCNは18年5月に米軍北部訓練場跡地が推薦地域に含まれていないことなどを指摘し、「登録延期」を勧告した。

 これを受け、政府はいったん推薦を取り下げて内容を見直し、19年2月に再推薦した。本来は20年の世界遺産委で登録の可否が決まる予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大で延期となった。今年2年分の登録審査が行われる。

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