
【宮古島】前宮古島市長の下地敏彦容疑者が逮捕されたことを受け、市民の多くは下地容疑者が市長を務めた12年の間を「問題や疑惑が多かった」と振り返った。
報道速報で逮捕を知ったという40代の男性会社員は、台風による特別警報発令中の市長室での飲酒問題や、市職員らによる計量データ改ざんが発覚した不法投棄ごみ撤去事業問題などを挙げ、「市民への奉仕という気持ちが感じられない市長だった。お金を受け取っていたなら恥ずべきことで、島民として恥ずかしい」と語った。
下地容疑者を巡り、県警が捜査を進めているとの情報は、同容疑者が落選した1月の市長選直後から島内の関係者の間に広がっていた。かつて同容疑者を支援した元市議の60代男性は、逮捕に「正直なところ驚きはない。いつかされるのではと思っていた」と明かした。2013年に無投票で再選した頃から下地容疑者の政治姿勢が変わったとし、「市政を私物化している印象が年々強くなり、たもとを分かった。無投票再選が良くなかった。何でも思い通りになると勘違いしたのかもしれない」と推測した。
事件の舞台となった市上野野原のゴルフ場「千代田カントリークラブ」は陸上自衛隊宮古島駐屯地となった。2020年4月に部隊編成も完結し、ミサイル基地として運用されている。 基地撤去を求めて反対運動を続ける、ミサイル基地いらない宮古島住民連絡会の清水早子事務局長は「容疑が事実であれば前市長は島を売って基地にしたことになる。許されないことだ」と批判した。事件が基地建設を舞台に発生していることについて「防衛省も見て見ぬふりは許されない。責任を追及されるべきだ」と強調した。
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