世界自然遺産への登録が近づいている沖縄本島北部の川沿いで18日夜、県内在住の生物ライター平坂寛さんが体長10センチ近くもある青いイシカワガエルを撮影した。「お菓子の包み紙でも落ちているのかと思った」ほど派手で、これほど大きな個体が生き残っていることに、平坂さんは「マングースなど外来種対策の努力のおかげだろう」と話した。
イシカワガエルは林の中の渓流沿いを好み、通常は緑色。コケが生えた岩の上では背景に溶け込んで目立たない。まれに青い個体が見つかるが、3~5センチ程度の幼体が多いという。今回の個体はこの風景になじまない色と大きさで「緑の岩の上では際だって目立っていて驚いた」と平坂さん。
やんばるでは希少種を捕食するマングースなどの外来種対策が進み、ヤンバルクイナをはじめカエル類などの個体数が回復傾向にある。発見される青いイシカワガエルが小さいサイズに偏る理由は分かっていないが、一般的に目立つ個体は捕食者に食べられやすい。
沖縄島北部にいるイシカワガエルは地域固有のオキナワイシカワガエルで奄美大島のものとは区別され、絶滅危惧種で県の天然記念物。体長は最大10センチ程度。