「みるく世を創るのは私たち」 追悼式典で平和の詩を朗読した中学生が決意 沖縄慰霊の日     


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平和の詩「みるく世の謳」を朗読する宮古島市立西辺中の上原美春さん

 「みるく世ぬなうらば世や直れ」(平和なら暮らしは良くなっていくよ)―。透き通る声が会場に響いた。平和の詩を朗読した宮古島市立西辺中学校2年の上原美春さん(13)は、小さいころから祖父が歌ってくれる宮古島民謡「豊年の歌」の一節を詩の披露した。戦後76年。戦争体験者が減る中、平和の尊さを伝える使命を感じ「みるく世を創るのはここにいる私たちだ」と力強く締めくくった。

 激しい雨の中で朗読した。詩には空や風、土など沖縄の豊かな自然がふんだんに登場する。壇上では「戦争が激しかったのは5月頃と聞いている。ちょうど、今吹いているかーちーべー(夏至南風)も吹いていたのだろう」と、76年前を想像していた。

 祖母も戦後生まれで、沖縄戦のことを体験者から聞いたことはない。体験を語れる人が減少していく現状について「目をつぶってはいられない。目の前の問題から、世界の平和につなげていきたい」と決意する。

 姉の愛音さん(21)も4年前に同じ場所で平和の詩を朗読した。そのときから、平和の詩を朗読するのは美春さんの夢だったという。「今ある私たちの日常はありがたいもの。人の命の大切さを感じ、平和な世界を発信していけたら」と話した。

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