意見書に遺骨土砂の「辺野古不使用」 小金井市議会が明示


この記事を書いた人 Avatar photo 田吹 遥子
普天間飛行場移設に伴う新基地建設が進む名護市辺野古(資料写真)

 【東京】東京都の小金井市議会(鈴木成夫議長)は25日の本会議で、沖縄戦戦没者の遺骨を含む土砂を辺野古新基地建設の埋め立てなどに使わないよう求める意見書を賛成多数(賛成11人、反対1人、退席11人)で可決した。土砂の使用先として辺野古新基地を明示する意見書は沖縄県外では初めてと見られる。

 意見書は遺骨を含む土砂で辺野古の海を埋め立てることは「犠牲者の人々の尊厳を冒とくし、『物言わぬ』戦没者を二度殺すような人の道に反する行為に他ならない」と批判した。遺骨を含む土砂を新基地建設の埋め立てに使わないことや、政府が主体となり戦没者の遺骨収集をするよう求めた。宛先は首相や官房長官、外相、防衛相ら。

 小金井市議会はこれまでも、米軍普天間飛行場の移設問題について全国で議論することなどを求める意見書や、県民投票の結果を尊重し辺野古新基地建設の中止等を求める意見書を可決するなど、沖縄の基地問題に関心を寄せてきた。

 今回の意見書の取りまとめに携わった片山薫市議は、市民から遺骨問題について意見書を出してほしいとの要望が3月ごろから上がっていたと指摘。5月に遺骨を含む土砂に関するシンポジウムを開き、「認識を深めることができた。市民の間で関心を持つ人が増えている」と語った。