沖縄本島地方で29日未明、梅雨前線に流れ込む湿った空気の影響で、短時間で局地的に非常に激しい雨をもたらす「線状降水帯」が発生した。気象庁は17日に運用を開始した「顕著な大雨に関する情報」を初めて発表した。沖縄気象台は粟国村で「50年に一度の記録的な大雨となっているところがある」との気象情報を発表。降り始めから29日午後4時までに粟国空港で307・5ミリの雨量を観測した。
名護市では29日午前2時46分までの1時間降水量が73・5ミリを記録。6月の観測史上最大を更新した。本部町や渡名喜村、那覇市などを含む5地点で、非常に激しい雨が降った。
本島各地では雨の影響による土砂災害や冠水が確認され、道路の通行止めなど影響が出た。県のまとめによると午後4時半現在、床上浸水がうるま市で1件、床下浸水が糸満市と宜野湾市、宜野座村でそれぞれ1件あった。各地の消防本部などにも被害の情報が集まり、那覇市では土砂崩れにより墓が土砂に覆われるところもあった。
県と沖縄気象台によると29日午後7時38分、沖縄市、南城市、読谷村、嘉手納町、北中城村、与那原町、八重瀬町に土砂災害の警戒対象地域として注意を呼び掛けている。
気象台によると、30日の沖縄地方は湿った空気の影響で、曇りや雨の天気となり、ところにより雷を伴う見込み。沖縄本島地方は多い所で1時間に40ミリの激しい雨が降る見込みで、積乱雲の発達の程度によっては、再び警報級の大雨となるおそれがある。
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