沖縄気象台は2日、沖縄地方が梅雨明けしたとみられると発表した。平年(6月21日)より11日遅く、昨年(6月12日)より20日遅かった。今年の梅雨入りは5月5日ごろで、梅雨の期間も平年より16日長い58日間だった。
気象台によると梅雨の期間が長引いた原因は、偏西風の本州南部への蛇行で太平洋高気圧の西への張り出しが弱かったことにある。そのため、梅雨前線が停滞し梅雨明けが遅くなった。2日以降は、太平洋高気圧が西へ張り出し、梅雨前線は北上することから、沖縄地方は晴れの日が続く予報となり梅雨明けを発表した。
期間の降水量は、那覇で平年比206%の1058・0ミリ、久米島は171%の945・0ミリを観測するなど、本島地方で多くの雨が降った。6月29日には、気象庁が17日から運用を開始した「顕著な大雨に関する気象情報」が本島地方に発表されるなど、梅雨の終盤は雨が続いた。日照時間は名護で平年比73%の203・8時間、久米島は78%の223・4時間だった。
沖縄地方は向こう1週間、太平洋高気圧に覆われて晴れる日が多い見込み。
梅雨明けが発表された2日、北谷町のアラハビーチでは久しぶりの青空の下、散歩やエクササイズに汗を流す人たちの姿が見られた。雲の切れ間から日が差し込むと、訪れた人たちはスマートフォンで写真撮影をしたり、マスク越しに深呼吸するなど、心地よい風の吹くなか夏の到来を楽しんでいた。
犬の散歩をしていた女性は「最近は雨が強く散歩に出れない日もあった。きょうは外の空気をたくさん吸って気持ちがいい」と話し、軽い足取りで歩いていた。ビーチチェアに横になっていた男性は「待ちに待った日焼けシーズン到来。緊急事態宣言でビーチが閉鎖されていて残念だが、コロナが収まったら存分に夏を満喫したい」と話し、日差しに顔を向けた。
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