「若い世代の声を受け止める存在に」―。政治団体「新しい風・にぬふぁぶし」公認の新人・瀬名波奎(けい)さん(26)が1778票を得て、当選を決めた。米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古埋め立ての賛否を問う2019年の県民投票など、さまざまな運動に関わってきた。政治家として歩み出し、「生活の不安を受け止めて、施策に反映させていきたい」と力を込めた。
政治に興味を抱いたのは高校卒業後のハワイ留学だ。現地の県系人と交流し「アイデンティティーに目覚めた」。帰国後も沖縄の歴史などを勉強し、基地負担が集中する現状に不条理を感じた。
会員制交流サイト(SNS)で沖縄の問題を発信していた元山仁士郎さんと知り合い、県民投票に関わった。「移設賛成の人も含め、多くの人が県民投票に賛同した。翁長雄志前知事が訴えた『イデオロギーよりアイデンティティー』を実感した」と振り返る。
18年の県知事選では玉城デニー陣営の青年局として活動し、20年の県議選では翁長雄治さんの陣営の青年部長を務めた。自身も政治家に挑戦するか悩んだが、県民投票運動の「自分たちにできることをやろう」との合言葉が背中を押し、出馬を決めた。
地元・久米などの友人に支えられ、選挙運動を展開してきた。新型コロナウイルスで活動が制限される中、SNSも駆使して少しずつ名前を浸透させ、当選を果たした。12日未明に当選確実の報に触れ「応援してくれてた人たちの顔が浮かんできた。感謝しかない」とかれた声で喜びを語った。
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