女性議員32.5%、那覇市議会が県内最多に 識者「多様性認める出発点」


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
当選を決め娘たちと喜ぶ糸数貴子氏(右から2人目)=11日、那覇市長田の選挙事務所(喜瀨守昭撮影)

 11日投開票された那覇市議会議員選挙で、過去最多となる13人の女性候補者が当選した。定数40の議会で32.5%が女性となった。県内の議会に占める女性議員の割合では北谷町議会の26.3%を抜いてトップとなった。識者は「女性の大躍進で画期的な数字だ」と指摘する。

 県内で女性議員の割合が30%に達するのは那覇市議会だけとなる。県議会は14.6%、市町村の多くは19.9%以下で、女性議員がゼロの議会もある。

 城間幹子市長は12日、報道陣に対し、女性当選者が13人となったことについて「大変うれしい。女性ならではの提案などを期待している」と述べた。

 ジェンダー論が専門の玉城直美沖縄キリスト教学院大准教授は今回の結果を「多様性を認める社会への出発点だ。那覇市民がその風穴を開けた」と評価した。以前は女性が立候補すると「紅一点」と言われる時代もあったとし、「女性だからではなく、政策を見て選ばれる時代になってきている」とした。今後は「妊娠、出産などの女性特有のライフステージに合わせた議会の働き方改革も進めてほしい」と期待した。

▼【特集・那覇市議選2021】

▼【全当選者の顔ぶれと得票数】

▼那覇市議選、野党躍進19議席 与党は1減14議席「オール沖縄」に打撃

▼「もうオール沖縄はない」不介入の市長に不満

▼夫婦別姓を実践、糸数貴子さん当選

▼最年少26歳の普久原朝日さんが初当選