沖縄県の玉城デニー知事は28日、国が県に申請していた米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に伴うサンゴ移植について、サンゴの生存率向上措置などを講じることを条件に認める方針を表明した。サンゴ移植について、農林水産相が県に許可するよう是正指示を出し、県は指示が違法として提訴していたが今月6日に敗訴が確定しており、司法判断に従った形だ。
今回、移植を許可したのは大浦湾側の軟弱地盤の外にある約4万群体。沖縄防衛局は軟弱地盤内にある3万5千群体も移植申請をしていたが、県は許可せず、今月26日までの行政取消訴訟の期限内に提訴がなかったため、県の不許可判断が確定した。
県はサンゴの移植許可について、大浦湾に存在する軟弱地盤についての情報が不足していることなどから判断を保留していた。農相の是正措置の適法性を争い、県の敗訴が確定した6日の最高裁判決では、裁判官5人中2人がこうした県の姿勢を「違法性がない」と認める反対意見を出していた。今回の判断について玉城デニー知事は28日、県庁で会見を開き「司法の最終判断が示された以上、行政である県としては是正の指示に従い許可する必要がある」と語った。一方、最高裁判決の反対意見にも触れ「拙速にサンゴ移植を行うのではなく、県との対話に応じてほしい」と求めた。
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