◆日本4-3ドミニカ共和国(28日・東京五輪1次リーグA組)
日本が2点を先制された七回表、2死一、二塁で依然ピンチが続く。これ以上離されたくない場面で、救援の平良海馬が初めて五輪のマウンドに立った。胸には「JAPAN」の文字。「何も緊張せずに投げることができた」。
21歳の表情は、いつもと同じようにきりっと引き締まっていた。
初球。低めの変化球でファウルを誘い、ストライクを稼ぐ。次も小さく球を動かして空振りを奪う。カウント1―2からの5球目、再び低めにコントロールした変化球を投じ、遊飛に打ち取って悪い流れを断ち切った。
出番はこの打者1人のみ。サヨナラ勝ちという劇的な結末を呼び込むために一役買い「中継ぎとしての仕事はできた」とうなずく。大舞台でも「(無観客で)紅白戦をやっているような感じ」とずぶとい神経をのぞかせる平良。「次は1イニング全部いきたい」と頼もしい。プロ野球の連続無失点記録を塗り替えた右腕がうずいている。
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