沖縄、自宅療養者に酸素吸入器 病床ひっ迫「今までの医療受けられない」


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 沖縄県は8日、新型コロナウイルスの感染急拡大による病床ひっ迫の影響で、入院が必要な中等症相当の自宅療養患者に対して、在宅で酸素吸入ができる酸素濃縮器を配布する対応を始めた。同様の対応は流行第4波にも1件あったという。県の糸数公医療技監は「在宅で療養せざるを得なくなっており、これまでにない厳しい状況に向かっている」と述べた。

 県によると、8日の本島内の病床占有率は重症88・9%、中等症95・1%。軽症85・9%となっている。重症患者は増加傾向で、8日は15人。人工心肺装置ECMO(エクモ)が必要な患者は3人、人工呼吸器のみの患者は12人となっている。エクモは県内4医療機関で対応しているが、治療には人手が必要になるため、重症者が増えると医療ひっ迫度が増すという。

 中等症患者459人は最多を更新しており、より症状が重く酸素投与が必要とされる中等症Ⅱは263人、呼吸困難や肺炎の所見がある中等症Ⅰは196人となっている。

 県の対策本部で入院調整を行う医療コーディネーターの米盛輝武医師によると、病床ひっ迫により「入院のハードルが上がって、今まで受けてきた医療が受けられなくなっていることを知ってほしい」と話した。県は自宅療養者のための酸素吸入器を約100台確保している。経過観察に力を入れるとともに、必要なら病院に搬送するという。

 一方で、薬局などで購入した抗原検査キットを使い、陽性反応が出ただけで救急車を呼ぶ人もいるという。米盛医師は「医療体制や救急車にも限りがあるので適切に判断してほしい」と呼び掛けた。


▼ランチでドライブで披露宴で…沖縄のコロナ感染7例
▼琉球大でのワクチン職域接種 学生の希望は予定の3割 若者接種が課題
▼コロナ休業要請の3連休、大型店が休業 事情知らぬ観光客の姿も
▼沖縄コロナ 陽性妊婦の出産相次ぐ 若者で拡大、小学生で最多
▼【図でわかる】免疫いつから?持病ある人は? ワクチン接種Q&A
▼【グラフで見る】沖縄の感染者数推移