沖縄県は10日、新たに新型コロナウイルス患者2人の死亡と、10歳未満から90歳以上までの332人の感染を確認した。1日の感染者数は7月13日以降、前週の同じ曜日を超える日が続いていたが、28日ぶりに前週を下回った。連休中で医療機関が休診し検査数が少なかった影響とみられ、県の糸数公医療技監は「11日以降リバウンドがあるかが懸念される」と説明した。自宅療養者は2100人となり過去最多を更新した。
県によると、1人の感染者が何人に感染させたかを示す実効再生産数の今週の値は1.52。先週の2.62から低下したが、1を大幅に上回っており、今週1週間の感染者数は3500人~5千人、入院患者数(10日現在638人)は800~900人と推計されている。
亡くなったのは那覇市の80代男性と90代女性で、いずれも入院中だった。死亡者数の累計は242人。
新規感染者数332人の居住地別は那覇市88人、沖縄市43人、浦添市と宮古島市が各28人など。宮古島市と石垣市(18人)でも連日2桁の新規感染者が出ている。年代別では20代94人、30代55人、40代53人、10代45人などで、70代以上は計11人だった。
沖縄本島の症状別の病床占有率は重症81.8%、中等症95.5%、軽症85.6%と厳しい状況が続いている。
医療現場が逼迫(ひっぱく)し、対応に当たる人材確保の必要性から県は10日、全国知事会に医師5人と看護師44人の派遣を要請した。県は自衛隊に対しても、入院待機ステーションの要員として看護官5人程度の派遣を要望する方向で調整している。
疫学調査の業務も膨大になっており、中部保健所と南部保健所は10日から13日までの4日間、生活衛生や食品衛生、医事薬事、環境保全の関連業務の窓口を休止する。
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