沖縄コロナ732人最多 入院調整中の40代が死亡 知事「医療崩壊目前に」(8月13日朝)


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①新型コロナウイルスの電子顕微鏡写真(米国立アレルギー感染症研究所提供)

 沖縄県は12日、新型コロナウイルスの新規感染者が732人で過去最多を更新し、入院調整中だった那覇市の40代男性が8日に自宅で亡くなったと発表した。男性は6日に陽性が確認された後、保健所と連絡がつかなくなったという。入院調整中に亡くなったのは県内で3人目。玉城デニー知事は12日の記者会見で「今後はしっかりと連絡が取れる体制を点検していかないといけない」と述べ、複数の連絡先を聞き取るなど体制を強化する方針を示した。

 12日は、療養者数も過去最多の5158人となった。そのうち入院中の患者は627人(重症20人、中等症475人)で、療養先調整中が1991人、宿泊施設療養中は288人、自宅療養中は2187人。県はコロナ専用病床を788床確保しているが、病床占有率は79・6%と高いままだ。直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者は249・31で全国ワーストが続いている。

 県内では、デルタ株への置き換わりが8割となって感染が急拡大する中、医療機関が病床を増やしても、すぐに埋まる状態が続いている。PCR検査や入院調整も遅れているため、玉城知事は「医療崩壊の危機が目の前に差し迫っていると言わざるを得ない」と危機感を強めた。

 各医療機関では看護師などの人材も不足しており、県は同日、陸上自衛隊第15旅団から看護官ら5人の支援を受けたと発表した。25日まで、搬送先が見つからない患者を一時的に受け入れる入院待機ステーションに配置する予定という。

 学校を対象に行っていたPCR検査事業を保育所などに拡大するという。玉城知事は県民に対して「自分と家族、職場や仲間を守るため、あなた自身ができる対策を徹底してほしい」と強く呼び掛けた。

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