沖縄気象台によると、2021年の沖縄地方は12日までに、一度も最高気温35度を超える猛暑日が観測されていない。一方で、関東地方などでは連日猛暑日となり、うだるような暑さが続いている。沖縄地方の気温は温度変化の小さい海水温に依存していることから、他都道府県と比較すると猛暑日になりにくい環境だ。
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沖縄地方の気温は、梅雨が明け、太平洋高気圧に覆われる7月下旬ごろが例年のピークとなる。直近で猛暑日が観測されたのは2020年7月16日からの5日間で波照間、与那国島、与那国町所野の3地点。
沖縄本島地方で猛暑日が最後に観測されたのは2017年8月21日で、伊是名の35度。周辺離島を除くと、同年8月12日の南城市糸数で35・1度が観測された。
今年最も暑かった地域は7月13日の西表島で34・4度、沖縄本島地方では同19日に那覇市安次嶺で34度だった。
沖縄気象台によると、(1)沖縄は周囲を海に囲まれた海洋性気候(2)高い山がないことから、フェーン現象の影響を受けづらい(3)コンクリートで覆われた地域が狭いためヒートアイランド現象の影響を受けづらい―ことが猛暑日になりづらい要因だという。特に海からの風が常に吹き込むことで、空気が適度に冷やされる環境が大きいという。
気象台が発表した「沖縄の気候変動監視レポート2021」によると、沖縄地方の平均気温は100年当たり1・21度の割合で上昇する傾向で、真夏日は10年当たりで2・8日、熱帯夜も同5・7日の割合で増加している。一方で那覇市の気温を昨年と比較すると、最高気温30度以上の真夏日は7月1日~8月11日の間で、20年が40日だったのに対して、21年は35日と少ないことからも、今年は気温が上がりづらい状況であることがうかがえる。
ただ、気象台によると17年9月に粟国島で猛暑日を観測しており、今後も暑さに警戒し、こまめな水分補給など対策を取る必要がある。
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