保育園のベランダに不審な男 「自然と体が動いた」父子で連携、逮捕につなげる


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建造物侵入事件の容疑者逮捕に貢献した(左から)岡潔さんと息子の拓斗さん、玉那覇潤宜野湾署長=1日、宜野湾署

 宜野湾署(玉那覇潤署長)は1日、窓ガラスを割って保育園に侵入し、食べ物を盗んだ容疑者の逮捕に貢献したとして、沖縄県宜野湾市内の会社員、岡潔さん(57)と息子の拓斗さん(18)=大学1年=に感謝状を贈った。岡さんらは逃走しようとする容疑者に気付き、監視を続けて逮捕につなげた。

 署や親子によると、8月28日、土曜日で休園していた保育園の窓ガラスが割られていることを不審に思った経営者の女性が110番通報した。女性は園の玄関前で駆けつけた警察官に事情を説明していた。その時、容疑者は2階のベランダに身を潜め、警察から逃走を図ろうとしていた。

 近所の岡さんらは事件の様子に気付いて園を見ていると、2階で不審な行動を繰り返す男を発見した。男が逃げようとするそぶりから、容疑者だと確信した。

 容疑者が隣の民家の敷地内に移動して物陰に隠れるまでを、岡さんらは見逃さなかった。その後、拓斗さんは監視を続け、状況をスマートフォンでも録画した。潔さんは容疑者が隠れている民家の付近まで行き、「(容疑者が)いた。こっちこっち」と警察官に聞こえるように大声で知らせた。警察官が駆け付け、物陰にいる容疑者を逮捕した。

 玉那覇署長は「逃走の様子を冷静に警察官に伝えてくれたことで現行犯逮捕できた」と感謝した。

 潔さんは「警察官を大声で呼んだ時、恐怖心はなかった。自然と体が動いた」、拓斗さんは「18年間生きてきて、初めての経験だった。貴重な社会貢献ができた」と頰を緩ませた。

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