12日に期限を迎える沖縄の新型コロナウイルス緊急事態宣言が延長される見通しとなった。5月23日に始まった宣言は既に100日を超え、延長が決まれば5回目、4カ月近くとなる。感染収束に向け受け入れる人がいる一方、長引く宣言に「意味がない」「内容見直しを」と実効性ある対策を求める人もいた。
ワクチン接種のため、那覇市の県立武道館に設置された広域接種センターを訪れた会社員の山本翔さん(25)=那覇市=は「妻の出産を控えている。家族の健康を守るためにも宣言の延長は歓迎だ。感染拡大に歯止めが掛かってほしい」と期待した。
接種センターで予約待ちの列に並んでいた、大学生の中村紗和さん(18)=那覇市=は3月末に奈良県から進学のために引っ越してきた。夏休みに帰省しようとしたが、沖縄や全国の感染拡大の影響で取りやめた。「この状況が続くのであれば、冬も帰れないのかな」と声を落とした。
本部町の瀬底島でダイビング店を営む武方雅人さんは「事業者は感染症対策を徹底している。ビーチの駐車場閉鎖など、宣言下だからといって何でも規制するのではなく、内容を見直してほしい」と求めた。
宮古島市の砂川聖子さん(48)は宣言中も観光客が絶えず、感染者が急増した宮古島の現状を挙げ、再延長は「意味がない」と切り捨てた。「市や県が来ないでと言っているのに来る。ある程度強制力がないと歯止めにならない」と話した。
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