【宮古島】宮古島市城辺保良の住民らによる保良環境守る会(砂川要会長)と宮古島漁協(栗山宏嗣組合長)は3日、保良川ビーチ施設閉鎖と同地域の御嶽「クバクンダイ(通称・パンプキンホール)」の立ち入り禁止の検討を市に要請した。同日、それぞれの要請書を砂川会長らが座喜味一幸市長に手渡した。
砂川会長によると「クバクンダイ」は古くから保良集落の御嶽として住民らが守ってきた。干潮時にのみ渡ることができる場所にある鍾乳洞で、カボチャのような形の鍾乳石があることから「パンプキンホール」とも呼ばれる。
市などによると数年前に県外のテレビ番組で「穴場」や「パワースポット」などと紹介されたことから観光客が急増した。砂川会長によると近年は市内外の観光業者がツアーを組むなどして連日、数十人が押し寄せているという。砂川会長は「地元の大切な地域遺産だが、観光客によって荒らされている。鍾乳石が折られていたこともある」と憤る。
また、「クバクンダイ」のある海域は古くから良い漁場としても知られるが、観光客の増加に伴い、踏み荒らされるなどの影響でサンゴは壊滅状態となっており魚も近寄らなくなっているという。
砂川会長は、ビーチ施設閉鎖と御嶽への立ち入り禁止要請は保良自治会会員へのアンケートで大多数から賛同を得ているとした上で「地域の遺産、資源を守るためにも配慮してほしい」と座喜味市長に求めた。
座喜味市長は「ウナギや伊勢エビもたくさんいていい海だった。地域の意向を取り入れたルールづくりに早急に取りかかる」とした。保良川ビーチ施設については市が現在、指定管理者を募集していることも説明し「自然保護や地元の要望に応えられる業者であることが大前提だ」と話した。