金秀Gの呉屋守将会長「基本は保守中道」 衆院選で自民支援を明言 名護市長選も保守支持


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衆院選で「オール沖縄」候補を支援しない理由などを語る金秀グループの呉屋守将会長=15日夕、浦添市

 名護市辺野古の新基地建設反対を掲げる「オール沖縄」で主導的役割を担ってきた金秀グループの呉屋守将会長が15日、琉球新報などの取材に応じ、次期衆院選の対応について「基本的には保守中道(の候補の支持)が金秀のスタンスだ」として、自民党候補を支援する考えを明言した。来年1月の名護市長選に続く首長選挙でも、同様に保守系候補を支持する方向性を示し、「辺野古をファーストイシュー(最大の争点)にするつもりはない」と述べた。一方で、来年の知事選の対応については「(決めるのは)まだ早い」として回答を避けた。

【一問一答】金秀Gの呉屋会長が語ったこと

 オール沖縄とは「最終目的地までは(同じ船には)一緒に乗らない。理想が違う」と述べた。金秀グループが「オール沖縄」勢力からの離脱を鮮明にした格好で、玉城デニー知事の今後の県政運営や知事選への影響は避けられない。

 金秀の衆院選への対応について「自民候補支持へ」(琉球新報)、「『オール沖縄』推さず」(沖縄タイムス)と15日付朝刊で報じた地元2紙の報道について、玉城知事は15日朝、報道陣の取材に「2紙でも発言の書きぶりが違う。(現時点で)必ずしも何か一つの方針を出したということではなく、呉屋会長の慎重な考えと発言だったと思う」と評価を避けた。

 15日夕に取材に応じた呉屋氏は辺野古新基地建設問題について、「(2019年2月の)県民投票で政治的な闘いは決着したと思っている」と強調した。国政与党を支持しながら沖縄経済の発展に注力する考えを示した。

 次期衆院選ではグループとして自民を支持するが、選挙運動などに積極的に関わる考えはないと説明。自民陣営で前面に立って支援する考えもないとした。

 オール沖縄の立場であることによる経営への影響が離脱につながったとの見方に対し、「(経営への影響が)ないと言えば噓になる」としたが、離脱の要因であることは否定した。

(大嶺雅俊)

 


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