食肉卸のフレッシュミートオオシロ(那覇市)はこのほど、市壺屋の本店前に冷凍肉の自動販売機を設置した。新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中で、収益源の多様化の一環として小売り収入の強化に取り組んでいる。
自販機では、牛焼肉セットやリブロースステーキ、和牛のホルモン、ラムチョップ、鳥もも串、セセリと肉付ヤゲン軟骨、ヤギ刺が販売されている。24時間稼働しているため、店舗の閉まる夜間でも、家庭での焼き肉や晩酌のつまみなどのニーズに応えられる。
同社は新型コロナ感染が拡大する前は弁当店や食堂、居酒屋など約150店への卸を中心としていた。しかし、2020年夏以降、取引する飲食店が休業や時短営業となり、売り上げは大きく落ち込んだ。
大城奨二代表(36)が「従業員の雇用を守るためにも、小売りに力を入れて売り上げを回復していきたい」と考える中で、インターネットで北海道の精肉店が冷凍自販機を導入したニュースに接した。ホシザキ沖縄を通じて、サンデン・リテールシステム(東京)の冷凍自販機「ど冷(ひ)えもん」を購入した。
今後、湯煎してすぐに食べられるメニューの開発や、冬場には鍋用の肉を販売するなど、商品を時期に応じて変更していく方針だ。大城代表は「専門店として、自販機の商品を自分たちで自由に替えられることが強みだと思っている」と話す。
さらに小売りを強化するため、10月以降は那覇市内などを回って移動販売をする予定で、車両も購入した。大城代表は「コロナが終わることを待っているだけでは、何も変わらない。動くことで何かが見えてくると思う」と話した。
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