
【東京】自民党総裁選(29日投開票)に出馬している河野太郎沖縄担当相は21日の閣議後会見で、インターネットで出回っている、尖閣諸島に関する過去の発言について「フェイクニュースだ」と述べ、事実関係を否定した。会員制交流サイト(SNS)のツイッター上で、河野氏が駐日米大使との会合で、尖閣諸島を中国に渡すことを容認する発言をしたとする未確認情報が拡散されていた。
ツイッターに投稿され拡散しているのは河野氏が2013年、オバマ米大統領政権下で駐日米大使を務めたジョン・ルース氏との会合で交わしたとされる発言の内容だ。投稿によると、ルース氏が河野氏を含む自民党若手議員と会食しそれぞれに尖閣問題への見解を求めた。その際、河野氏が「あんな石ころのような尖閣諸島で日中関係にひびが入る位ならくれてやれば良い」と発言したとされている。作家やジャーナリストとして活動する男性が9日、ツイッターに伝聞情報として投稿して以降、瞬く間に拡散した。投稿した男性は「河野氏の出馬会見で誰かこの真偽を確認してほしい」とも書き込み、投稿時に情報の裏付けは取れていなかったとみられる。
この内容について、21日の会見で、本紙が情報の真偽を聞いたところ、河野氏は「ガセネタだ。フェイクニュースだ」と述べた。
投稿に記載されたジョン・ルース氏と河野氏らの会合について、在日米大使館は「米国大使館は、日米関係者間の私的外交会議の内容を明かさないのが一般的だ」と書面で回答したのみで、会合の有無には言及しなかった。河野氏の事務所の広報担当者は「会合があったとされる時期が曖昧で確認は困難だ。そうした趣旨の発言をしたことも一切ない」と話した。