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通訳案内士へのエール込め マーシュゆかり沖縄通訳案内士会会長<仕事の余白>


この記事を書いた人 Avatar photo 田吹 遥子

 通訳案内士は外国語を用いて「自身の言葉」で地域の文化歴史を紹介できる専門職だ。ここが一般的に知られている通訳(発話者の言葉を訳して受話者に伝達)とは異なる点である。通訳案内士は「通訳ガイド」という呼称でも知られ、ストーリーテリングのスキルが求められる。プロの通訳案内士には、外国人ゲストの反応を見ながら、話す内容を膨らませたり話題を転換させたりする等、ゲストを飽きさせず、その土地の魅力をディープに、だがカチコチな話に終始しないような話力も求められる。

 沖縄県には国家資格の全国通訳案内士(日本国内どこでも業務可)と地域通訳案内士(沖縄県内で業務可)が合わせて約770名いる。沖縄通訳案内士会は2007年に設立、県内唯一の観光庁届け出済みの通訳案内士団体として、会員(英・中・韓)向け勉強会、SNSを活用した情報交換、職業紹介、ホテルコンシェルジュ協会などの観光従事者との交流を行っている。

 「辛(つら)い時は登り坂」。この言葉は16年前、私が通訳案内士のイロハを学んだ本州のガイド団体の新人研修でいただいた言葉だ。今、この言葉を再び心に留める日々が続いている。インバウンド観光従事者には厳しいコロナ禍にあっても、海外からの渡航再開を信じ、研鑽(けんさん)している仲間も多いことをお伝えしたい。

 半年間、通訳案内の魅力や最前線のエピソードなどを紹介していきたい。ガイド仲間へのエールを込めて。