新型コロナウイルスの感染拡大防止に関して県が時短営業などを求めた独自措置が解除となった初日の1日夜、那覇市の国際通りには、月曜日にもかかわらず多くの人出が見られた。土産物袋を片手に歩く観光客の姿も増えていた。酒類提供制限も終了し、那覇市内の老舗ステーキ店には最大20分待ちの行列ができた。飲食店関係者からは、現場に活気が戻ることを期待する声が聞こえた。一方で「終息の宣言があるまでは両手を上げて喜べない」と慎重な姿勢も見られた。
午後6時すぎ、那覇市西のジャッキーステーキハウスは満席だった。午後7時すぎからは常時5組以上の客が行列を作り入店を待った。店内では客からの注文受け付けや配膳のため従業員が駆け回り、客席にはステーキの他、ビールが入ったジョッキも目立った。
神奈川県から家族と訪れた東海林隆さん(57)は「全国的な感染の落ち着きを見計らって来た。毎年家族で沖縄を訪れていたので、久しぶりのステーキが最高だ」と笑顔を見せた。
県による独自措置解除に、ジャッキーステーキハウスの長田就高さん(39)は「やっとか」と胸をなで下ろす。一方で「お客さまに安全、安心な場を提供したい」という思いと、感染状況などを見極めるため、当面の間、午前1時までの営業時間を午後10時までにとどめる。
慎重な姿勢を見せる飲食店は少なくない。那覇市久茂地の居酒屋「島人酒場 もうあしびー」を経営する、シンパドーの八幡昌樹専務は「制限のない状態で営業ができることはうれしい」と歓迎する。それでも「リバウンドで第6波が来てしまうと、また営業ができなくなるかもしれない」と不安も拭えない。
同市牧志にある小料理屋「野の花」の識名喜美子代表は「リバウンドを繰り返したら意味がない。お店が感染症対策を徹底しないといけない」と気を引き締めた。
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