小笠原諸島の海底火山噴火の影響とみられる大量の軽石が沖縄県内各地に漂着・漂流している問題を受けて、玉城デニー知事は5日、県庁で開いた定例会見で、読谷村の長浜ビーチで採取した軽石を県衛生環境研究所で分析した結果、人体に有害なカドミウム、鉛、六価クロムなどの金属製品の検出量は国の土壌環境基準値以下だったと発表した。県は軽石の科学分析を他地域にも広げる方針で、国にも要望している。玉城知事は「この軽石の形状はガラス質で、非常に壊れやすくもろい。処分の方法や利用方法の検討を進めたい」と述べた。
一方、県によると、軽石の漂流が確認されたと市町村からの報告は前回10月26日に発表した22市町村から27市町村に増えた。県内132の漁港と港湾のうち、15カ所で漁業活動や離島航路に支障が出るほど大量に漂着している。
県は現在、県管理の辺土名と安田漁港、徳仁港で国の災害復旧事業を活用した除去作業を進めており、現在約8億円の撤去費用を費やした。
玉城知事は「一部の港湾や漁港などでは既に軽石の除去が始まっている。回収や処分の方法、さらなる箇所の拡大については、技術的、財政的な課題があったことから関係大臣宛てに支援を要請した」と述べた。
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