親子2代、70年続いた「儀間鮮魚店」が閉店 「魚屋をしてよかった」 沖縄・本部


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半世紀にわたって店を切り盛りしてきた儀間五洲さんと妻の郁子さん=本部町渡久地

 【本部】沖縄県本部町の渡久地港近くの県道84号名護本部線沿いで、2代70年にわたって町民や観光客らに鮮魚を提供してきた儀間鮮魚店が10月31日、閉店した。儀間五洲(いつくに)さん(84)と妻の郁子さん(84)は50年前に父親から店を引き継ぎ、夫婦で切り盛りしてきた。五洲さんは「いろいろな出会いがあった。魚屋をしてほんとによかった」と半世紀を振り返った。

 五洲さんと郁子さんは34歳で結婚。その後、父平長さんが営んでいた儀間鮮魚店を夫婦で引き継ぎ、娘3人を育て上げた。本部町商工会では青年部を立ち上げ、長く会長も務めた。

 店がある建物は他の鮮魚店も数件軒を連ねており、多くの観光客が訪れる渡久地港の名所ともなっている。海洋博当時、町内に宿泊している建設業従事者が大量にさしみを購入したことをよく覚えているという。

 ただ、新型コロナ感染症の影響で、このところ客足が途絶えがちという。さらに閉店の大きな理由となったのは、夫婦ともに体力が続かなくなったこと。郁子さんは短時間の立ち仕事もきつい状態だ。

 「もし若ければもっと続けたいんだが」と五洲さん。「本部町は海があり川があり山がある。こんないいところほかにはない。やりようによってはもっと大きく発展するはず」と話し、若者たちの奮起に期待した。

 (友寄隆哉)


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