サーターアンダギーもふっくら ハサップ対応工場で新鮮液卵の供給可能に 前田鶏卵


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ハサップ対応型の液卵工場で製造した商品を紹介する前田睦己社長(左)と宮城淳樹営業本部長=18日、那覇市港町の前田鶏卵

 前田鶏卵(那覇市、前田睦己社長)はこのほど、沖縄県内では初となる食品衛生管理の国際基準「HACCP(ハサップ)」対応型の液卵工場を同社敷地内に新設した。これまでは県外の液卵工場で冷凍殺菌したものを仕入れて販売していたが、自社工場で未殺菌液卵の製造が可能となった。

 卵を割ってから洋菓子や総菜の製造業者などに輸送するまで5度以下で温度管理し、殺菌機能と鮮度を保つ。県外との輸送コストが削減され、従来より1キロ当たり120円安い275円で新鮮な液卵を供給できるようになった。

 同社は改正食品衛生法に基づき、今年8月にハサップ対応型の工場を新設。9月から液卵や、液卵を使った厚焼き卵など加工品の製造販売を始めた。ハサップ対応で問題がある商品の出荷を防ぎ、万一、食品事故が発生した場合も、原因がある工程を迅速に究明し対応することができる。

 新工場では1日当たり500キロまで生産する。前田社長は「冷凍していない未殺菌液卵は風味も味も格別。特にサーターアンダギーはふっくら仕上がる」と語り、生産量を徐々に増やしていく方針を示した。

 同社では持続可能な開発目標(SDGs)の取り組みも強化しており、希望者には卵の殻を無料提供する。問い合わせは(電話)098(861)6488まで。