焼失した首里城の復元に向けて作業を進めている国の「首里城復元に向けた技術検討委員会」(高良倉吉委員長)は1日、大龍柱は焼失前と同様に相対(横向き)で復元することを「暫定的な結論」として確認した。大龍柱は寸法記(1768年)や尚家文書(1846年)に描かれた絵を根拠に、1992年の復元時は相対向きで復元された。しかし、2019年の焼失後、大龍柱が正面向きで写っている古写真(1877年)が見つかり、今回の復元で大龍柱の向きがどうなるのか、注目が集まっていた。
技術検討委は、寸法記や尚家文書を正殿の内部や外部の復元根拠としていることから、大龍柱も両古文書の絵を根拠にしたと説明した。当時の絵師の技術も調査し、正面向きの大龍柱を描くのが困難だったために、便宜的に相対姿勢で描いたという憶測は成り立たないと確認した。一方、古文書の作成から古写真の撮影までの約30年間に大龍柱の向きが変わった可能性も認め、新たな資料が見つかれば変更する余地も残した。
【関連記事】
▼【動画スペシャル】首里城焼失、あの日何が…10・31ドキュメント