国内外から53億円…首里城再建、寄付金の使い道は? 首里城焼失から2年


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首里城正殿(資料写真)

 2020年3月に設置された「沖縄県首里城復興基金」には、県内のみならず県外、海外からも多額の寄付が寄せられている。21年9月30日時点の総額は53億1060万6670円。玉城デニー知事は7月に開催された首里城復旧・復興推進本部会議で、このうち約24億円を正殿の復元に充てる方針を発表した。残額は城郭内の北殿や南殿など、他の施設の復元に活用する。

 県は、基金の使い道の選定基準について(1)寄付者や来訪者の目に付きやすい「象徴部」(2)県内に蓄積・継承されている伝統技術の活用に資するよう、県産材または県内職人が関わるもの―を挙げている。

 これまでに、木材の骨組みとなる大径材の調達に加え、正殿の壁や天井に使用する県産材の調達・加工、赤瓦6万枚の調達、大龍柱の石彫刻、龍頭棟飾(りゅうとうむなかざり)などの復元にも寄付金を充てることを決定している。

 火災で焼失した正殿2階に掛けてあった扁額(へんがく)3枚についても基金を充て、制作も県が担うことで国と合意している。

 県の担当者は、国王が使用した階段手すりや木彫刻の唐(から)破風(はふ)妻飾(つまかざり)、鬼瓦などの制作も基金から捻出する計画を示している。

 7月の会議で玉城知事は「首里城復興は琉球の歴史文化の復興と、その発展につなげる重要なプロジェクトだ」と位置付け、国と連携しながら作業を進める意向を示した。

 寄付金の最新情報は県公式首里城復興サイト(https://www.shurijo-fukkou.jp/donation/)で確認できる。

 

首里城復興基金(寄付金)の正殿への主な活用事業(案)


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