本島北部でシークヮーサーの立ち枯れ被害が相次いだ問題で沖縄県は11月30日、浦添市の県中央卸売市場で会見し、症状を引き起こす要因はカミキリムシなどによる食害や疫病だけでなく、栽培管理上の課題など複数要因が関係しているとの調査結果を公表した。シークヮーサーの生産量は2020年産から回復傾向にあり、21年産も3488トンを見込むなど好調だと説明した。
立ち枯れは2010年頃から確認されていたが、被害が深刻化したため、県はカンキツ立ち枯れ症状対策チームを設置し、20年10月~21年3月に生産農家へのアンケートを実施していた。
アンケートの回答数は680戸。対象樹木8万8236本のうち、6.3%に当たる5545本で症状が出ていた。対策チームが現地調査したところ、農薬の散布や肥料の投入回数に関わらず立ち枯れが発生しているほか、収穫後も果実を樹木に残したままにしている畑で発生率が高い傾向にあることが分かった。
県営農支援課の松村まさと主幹は「シークヮーサーは他のかんきつ類と比べ、栽培の基本管理がほとんど確立されていない。講習会を定期的に開き、基本的かつ効率的な栽培管理方法を模索しながら周知していきたい」と述べた。
(当銘千絵、写真も)