空手の全日本選手権が12日に東京の日本武道館で行われ、男子個人形で前人未到の10連覇を達成した喜友名諒さん(31)の勇姿を、父・勇さん(59)ら親族が会場で見守った。優勝が決まると2階席から拍手を送った。
「パパ大好きー」。表彰式を終えた喜友名さんに向け、愛らしい声で叫んだのは長男・冴空(さすけ)ちゃん(3)。試合中は妻・絵理さん(31)の膝の上で演武を見詰めた。新型コロナウイルス禍で今夏の東京五輪を含む多くの大会が無観客となり、3年ぶりに試合を会場で観戦した絵理さんは「実際に見るとやっぱり迫力が違う」と感嘆した様子だった。
終了後、勇さんは「よかったです」と安心した表情を浮かべた。幼い頃から「積み重ねが大事」と伝えてきたと言い、それを体現した演武を「10連覇の重みがあった」と満足そうに振り返る。空手界で大きな存在感を放つ息子に「人間力が一番大事。感謝を忘れず、継続してほしい」とエールを送った。
(長嶺真輝)
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