北山の快進撃、歴代最高の布陣で都大路を駆ける<巻き起こせ旋風 県勢駅伝の歩み>1上


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都大路に向けて練習に励む北山男子駅伝部の宮里洸主将(左から4人目)やエースの上原琉翔(右端)ら=11日、今帰仁村総合運動公園村民運動場(高辻浩之撮影)

 「長距離に沖縄旋風巻き起こる」―。今年6月、専門誌「月刊陸上競技」が発信する陸上競技総合ウェブメディア「月陸オンライン」にこんな鮮烈な見出しが躍った。熊本県で行われた陸上の南九州高校体育大会で北山男子駅伝部の上原琉翔(りゅうと)が1500メートル、5000メートル、宮里洸が3000メートル障害の3種目を制する県勢初の快挙を成し遂げた。長く他県に後れを取っていた長距離での快進撃。関係者の衝撃の度合いが見出しに表れた。

 北山高には短距離選手らが所属する陸上部もあるが、前出の2人は駅伝部。最長で10キロの区間をつなぐレースを専門とし、そのレベルアップのために長距離種目で鍛えてきた。

 エースの上原に引っ張られるように各部員も個々に成長し、高校生世代では全国トップクラスに位置付けられる5000メートル14分台に10人が到達するなど今や総合力が飛躍的に向上している。歴代最強の布陣で挑む12月26日の都大路。今大会は県記録を塗り替えた前年以上に大きな期待が掛かっている。

 飛躍的に記録が伸びたのは、大城昭子監督による指導法改革の影響が大きい。赴任して8年目。前任校までは主に女子を見てきたが、北山で本格的に男子を受け持ち、手探りの指導を続けてきた。中学の頃から素質を見いだした子どもたちに声を掛け、今回のメンバーも上原を中心に進学を勧めた。

 近年は高校生も高速化が進み、その効果をもたらす厚底シューズの普及も重なって全国の壁がさらに高くなっている。大城監督はスピード力の向上を目指し、ここ数年は短距離走の練習法を導入するなどして育成に当たってきた。


 高校駅伝の頂点を争って京都・都大路を舞台にした全国大会が迫る。県代表を決めた北山の男子駅伝部が記録を伸ばし続ける成長の背景や、県内長距離界のこれまでの実績を振り返る。


北山のエース上原が次々と記録更新、触発された部員が軒並み成長<巻き起こせ旋風 県勢駅伝の歩み>1下

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