那覇保健所で濃厚接触者の特定できず 業務ひっ迫、感染者が連絡する事態に


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那覇市役所

 新型コロナウイルスの感染者が急増し、濃厚接触者などを調べる「積極的疫学調査」がひっ迫していることを受けて、那覇市保健所は9日から当面の間、濃厚接触者の特定を保健所で行えないと発表した。感染が判明した人が濃厚接触者を特定し、連絡することになる。保健所は感染者に対しては発症日を特定し、就業制限を掛けたり、解除したりする。

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 県も6日以降、各保健所に対して濃厚接触者の連絡範囲を見直した。保健所は医療機関や福祉施設、クラスターを起こしている場所などを重点的に調査することとし、企業などでの感染例は各会社で濃厚接触者に連絡し、検査に行ってもらうことにした。

 那覇市保健所によると、濃厚接触者の目安として、「マスクなしで15分以上同じ場所にいる」「1メートル以内で接触があった」「換気が悪い」などがあるという。担当者は「保健所だけでは感染防止の観点で見ると、(業務が)間に合わないので市民の皆さんの協力が必要だ。社会全体で感染防止につなげてほしい」と話した。那覇市保健所によると、新規陽性者の発生届が7日で400件、8日で600件を超えた。

 保健所は職員を増やして濃厚接触者などを特定する業務に対応してきた。濃厚接触者の特定業務をなくすことで一日の処理件数の増加を期待している。また、那覇市保健所生活衛生課は11日から当面の間、窓口業務を休止する。食中毒の発生など緊急を要する場合は引き続き対応する。
(知念征尚、吉原玖美子)


 

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