沖縄「サウナ県」になる?リゾートプールが水風呂に 休憩付きの「サ活」プランも


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 近年、全国的なブームとなっているサウナ。沖縄でもその熱がじんわりと広がっている。特に県内ホテルでは新型コロナウイルス感染症の影響で利用客が激減しており、新たな冬の観光コンテンツとして、地元客の掘り起こしとして、サウナに活路を見いだしている。
 

■日帰り

 北谷町にある「レクー沖縄北谷スパ&リゾート」は天然温泉やサウナにこだわった造りで2020年3月に開業したが、直後にコロナ禍に見舞われた。国内外の観光客は大幅に減り、想定していた売り上げに届かない事態となった。そこで考えたのが、宿泊者限定としていた大浴場を開放した「日帰り入浴」だ。
 

レクー沖縄北谷スパ&リゾートの男風呂にあるドライサウナ(同ホテル提供)

 日帰り入浴は20年9月下旬から平日午後限定でスタート。予想以上の来客があったという。西村孝俊総支配人は従来から県内客からサウナのみの利用を求める声があったとし、「意外にも県民にサウナ好きが多いと感じた。今後もチャンスがある」と語り、潜在客の掘り起こしに力を入れる。
 

■プール活用

 屋外でテント型のサウナに水着で入り、水風呂の代わりに川などにつかる「アウトドアサウナ」も今のトレンドだ。県内では、冬場に使われなくなる屋外プールを水風呂にしたアウトドアサウナの展開を探るリゾートホテルが増えている。国頭村のオクマプライベートビーチ&リゾートでは、昨年12月25日にイベントを開催。沖縄アウトドアサウナ協会などの協力を得て、耐熱性の高いテントサウナを7基導入した。
 

プールサイドに設置されたアウトドア用のテントサウナ。水着などでサウナに入り、水風呂代わりにプールに入る=2021年12月25日、国頭村のオクマプライベートビーチ&リゾート

 オクマリゾート、セールス&マーケティング部の北條美佐子さんは「ここはビーチもある。課題だった冬の目玉コンテンツに育ってほしい」と話す。共催した沖縄アウトドアサウナ協会理事で編集者の箕輪厚介さんは「サウナは冬でも雨でも楽しめる。持続可能な沖縄観光の形になるのではないか」と今後の可能性を期待した。
 

■「サ活」プラン

 那覇市にあるカプセルホテル「CABIN&HOTEL ReTIME」では、サウナ後に宿泊ルームで休憩ができる「サ活デイユースプラン」が好評だ。カプセルホテルという施設の強みを生かし、サウナを何度も楽しむ「サ活」に特化したプランは、サウナ愛好家のニーズにマッチした。

 コロナ禍で宿泊客が減り経営は厳しい中にあるが、来年には施設の一部を改装し「個室サウナ」など新たなフロアを設ける予定だ。平良祐子総支配人は「選ばれていくホテルにするためにもサウナを武器にしていきたい」と意気込んだ。

 (野添侑麻、田吹遥子)


 県内のホテルで広がるサウナブームを追ったWEB限定連載「熱島!沖縄サウナ」はhttps://ryukyushimpo.jp/special/entry-1447079.html