米海兵隊が那覇軍港で訓練強行 輸送機飛来、兵士降ろす


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 在沖米海兵隊は8日、那覇港湾施設(那覇軍港)に垂直離着陸輸送機MV22オスプレイとCH53E大型輸送ヘリを飛来させ、海外人道支援や大使館増強、非戦闘員避難などの訓練に向けた作業を始めた。武器を持った兵士らがヘリから降り立ち、軍港内の建物の周囲に鉄条網を設置するなどの作業が確認できた。海兵隊によると8日は準備作業で、9日から訓練を本格化させる。県と那覇市が訓練中止を求めている中で、松野博一官房長官は8日の記者会見で「港湾施設の使用主目的に沿ったものだ」と述べ、実施に問題はないとの認識を示した。

【動画】米軍、那覇軍港での訓練強行

 今回の訓練は在沖海兵隊の遠征作戦訓練団(EOTG)が主催しており、EOTGが那覇軍港で訓練するのは初めてという。

 在沖米海兵隊は8日に琉球新報の質問に電子メールで回答したが、「特定の想定については言及しない。さまざまな危機や不測の事態に対応できるようになる」とし、訓練で想定する状況などについて明確にしなかった。

 那覇軍港では8日午前にCH53E1機が飛来し、兵士約20人を降ろした。同日夕はオスプレイ1機が着陸し、兵士ら約20人を降ろした。軍港内では大使館警備の訓練とみられる様子が確認された。

 訓練は13日までの予定で、第31海兵遠征部隊所属の海兵隊員250人が参加する。海兵隊はオスプレイや各種ヘリ、海軍輸送艦艇を使うことを報道発表している。

 城間幹子那覇市長は8日、「中止を要請したにもかかわらず強行されたことに、強い憤りを覚えている」とする声明を出し、関係機関に抗議する考えを示した。

 県の溜政仁基地対策統括監は8日、在沖米総領事館のジェシカ・メギル首席領事に電話し「断じて容認できない」と伝えた。訓練をすぐに止め、今後一切、那覇軍港で航空機の離着陸をしないよう申し入れた。県によると、メギル氏は「要請内容を大使館や国務省、米軍に伝えたい」と話した。(明真南斗、塚崎昇平、伊佐尚記)


 

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