8日午前10時12分ごろ、米海兵隊のCH53E大型輸送ヘリ1機が那覇市の米軍那覇港湾施設(那覇軍港)に飛来し、着陸した。米海兵隊は13日までの予定で、複数の米軍機などを使った訓練を実施すると発表。沖縄県は「新たな形の基地負担」などとして訓練中止を求めていたが、米軍は強行した形となる。
那覇軍港は那覇市の中心部にあり、那覇空港にも近接。沖縄の日本復帰時に日米間で在沖米軍基地の使用条件を定めた「5・15メモ」では、同施設の主目的を「港湾施設および貯油所」としていることから、県などは航空機使用に反対してきた。
米海兵隊は昨年11月にも修理のために米本国へ海路輸送するためとして、同施設に垂直離着陸輸送機MV22オスプレイなどを飛来させていた。県や那覇市などはこのときも同施設での航空機離着陸の中止などを求めていた。今回の訓練強行で、地元の反発は一層高まりそうだ。
米海兵隊の発表によると、訓練は8日から13日までの予定で、「人道支援や大使館補強、非戦闘員避難」の技術向上を目的とする。オスプレイのほか、CH53E、UH1、CH47の各ヘリコプター、海軍輸送艇などを投入する予定。
CH53E大型輸送ヘリは施設西側の海上から飛来し、施設内に着陸した。機体後部のドアから武装した隊員ら十数人を下ろしたあと、数分後に離陸した。
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