トートーメー継承「男性」8割 行事の準備・片付け「女性」8割 性別役割根強く


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 3月8日の国際女性デーにちなんで、琉球新報社はウェブでトートーメー(位牌)継承に対するアンケートを実施した。アンケートで、位牌の継承者を尋ねると「長男」(65・3%)、「血縁の男性」(15・7%)と男性が8割だった。また位牌がある家で行事の際に主に誰が料理の準備や後片付けを担っているのかを尋ねると、「女性」が83・5%に上った。継承は長男に、料理や片付けは女性に偏り、性別による役割が固定化している状況が浮かび上がった。

 トートーメーは、沖縄の一般家庭で旧盆や正月、清明祭(シーミー)などの伝統行事の中心的役割を担う家に配置され、長男や血縁の男性により先祖代々継承されてきた。一方、今回のアンケートで、位牌を誰が継ぐべきかを聞いたところ「誰が継いでもいい」が56・6%と半数を上回り、少子化や価値観の多様化に伴い、女性が継ぐことへの抵抗感は薄れてきている。

 継承に「身内で課題がある」と回答した人は回答者の54・4%と半数に上り、その課題を複数回答で聞いたところ「行事負担が大きい」と答えた人が51・9%と最も多かった。次に多かったのは「金銭的負担」(36・4%)だった。沖縄の伝統的な祖先崇拝や文化が継承されるには、男女で行事の負担を分け合い、継承について親族内で話し合うことが鍵となりそうだ。

 アンケートは本紙やウェブサイト、ツイッターやLINEなどで回答を呼び掛けた。2月21日から3月3日までの間に553件の回答が寄せられた。

 (慶田城七瀬)

 トートーメー
 先祖の霊をまつる位牌のこと。旧盆や正月、清明祭(シーミー)など家族や親族が集まる沖縄の伝統行事の中心的役割は、トートーメーのある家庭が主に担う。長男や男性親族への継承が多く、女性への継承はタブー視されてきた。