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トートーメー、子どもに継がせたい?「はい」27%「いいえ」は…<本紙アンケート詳報>


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 3月8日の国際女性デーにちなんで、琉球新報社はトートーメー(位牌)継承についてのアンケートをウェブで実施した。回答からは、位牌の継承者は「長男」(65.3%)、「血縁の男性」(15.7%)と男性が8割に上る一方で、位牌のある家庭の83.5%で、主に女性が行事の際に料理の準備や後片付けを担っていることが分かった。性別による役割分担の固定化が浮き彫りになった。また、社会の変化に合わせ継承の在り方を模索している声も多く寄せられた。詳しい内容を紹介する。

(嶋岡すみれ、慶田城七瀬)

>>【一報はこちら】トートーメー継承「男性」8割 行事の準備・片付け「女性」8割 性別役割根強く 

 トートーメーは、家の仏壇にある位牌のことで、長男や血縁の男性により、先祖代々継承されてきた。継承した家庭は旧盆や正月、清明祭(シーミー)などの伝統行事の中心的役割を担う。アンケートで自分の子どもに位牌を継いでもらいたいか聞いたところ、「いいえ」が34%に上り、「はい」の27.3%を上回った。

 「いいえ」の理由(自由記述)としては「負担をかけるから」「大変だから」といった意見が多くを占めた。自身が長男でトートーメーを継承しているという50代の男性は「子どもにはこの責を負わせたくない。行事が多過ぎる。昔はできたのだろうけど今の世では大変だ」と回答を寄せた。

 一方で「はい」の理由を複数回答で聞いたところ「伝統の継承」が54.9%で最も多かった。次いで「家族のルーツを知ることができる」が52.6%、「親戚の集まりを大事にしたい」が31.5%、「財産の継承」が18.8%と続いた。

 アンケートは本紙やウェブサイト、ツイッターやLINEなどで回答を得た。2月21日から3月3日までの間に553件の回答が寄せられた。


【識者談話】トートーメー継承をめぐる4つのタブーとは 宮城晴美氏(沖縄女性史研究家)

トートーメーの課題解決に必要なのは?「誰でも継承」69%<本紙アンケート詳報>

トートーメーを女性が継承、抵抗ある?「ない」83%<本紙アンケート詳報>
 

 

>>特集・国際女性デー2022

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