3月8日の国際女性デーにちなんで、琉球新報社はトートーメー(位牌)継承についてのアンケートをウェブで実施した。回答からは、位牌の継承者は「長男」(65・3%)、「血縁の男性」(15・7%)と男性が8割に上る一方で、位牌のある家庭の83・5%で、主に女性が行事の際に料理の準備や後片付けを担っていることが分かった。性別による役割分担の固定化が浮き彫りになった。また、社会の変化に合わせ継承の在り方を模索している声も多く寄せられた。詳しい内容を紹介する。
(嶋岡すみれ、慶田城七瀬)
>>【一報はこちら】トートーメー継承「男性」8割 行事の準備・片付け「女性」8割 性別役割根強く
アンケートで継承者が女性となることに対して抵抗感があるか聞いたところ「いいえ」が83・9%に上り、女性がトートーメーを継ぐことに対する肯定的な受け止めが多数を占めた。「抵抗感がある」と答えた人は11・9%にとどまった。
実際に位牌を継いでいるという70代の女性は「トートーメーが文句を言うわけでもないし、先祖を供養する気持ちが好きだから難儀と思うことはない」と答えた。
「その他」として寄せられた自由回答では「基本的には(継承は)長男家系と考えるが、不在などある程度の柔軟性はあってもよい」(30代男性)、「男性、女性関係なく継ぎたい人が継げばいい」(30代女性)、「継承すること自体それぞれの家族の判断で決めるべき」(50代女性)など、性別や伝統にこだわらない多様な選択肢を求める声が上がった。
一方、トートーメーには財産も一緒に継承されるケースが多いことから「継いだ人は経済的負担、労力がかかる。継がない人にも相続財産を平等に分けるという法律は変えた方がいい。平等に財産を分けるなら行事負担も平等にするという決まりをつくった方がいい」(40代男性)という指摘もあった。
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