3月8日の国際女性デーにちなんで、琉球新報社はトートーメー(位牌)継承についてのアンケートをウェブで実施した。回答からは、位牌の継承者は「長男」(65・3%)、「血縁の男性」(15・7%)と男性が8割に上る一方で、位牌のある家庭の83・5%で、主に女性が行事の際に料理の準備や後片付けを担っていることが分かった。性別による役割分担の固定化が浮き彫りになった。また、社会の変化に合わせ継承の在り方を模索している声も多く寄せられた。詳しい内容を紹介する。
(嶋岡すみれ、慶田城七瀬)
>>【一報はこちら】トートーメー継承「男性」8割 行事の準備・片付け「女性」8割 性別役割根強く
トートーメー継承問題の背景には、「男は外で働き、女は家庭を守る」という家父長制の性別役割分担の仕組みと、男系の先祖を重んじる門中制度(儒教思想)の影響がある。トートーメーはそもそも男性優位のシステムであることを理解しなければならない。
またトートーメーの継承を巡っては四つのタブーがあるとされてきた。(1)長男以外に継がせてはいけない(2)兄弟同士で継いではいけない(3)女の子に継がせてはいけない(4)女の子の婿が継いではいけない―だ。このタブーを犯すと、家族や親族に病気や事故などのたたりがあると言われてきた。
琉球王国時代の士族層に導入されたトートーメーだが、当時の資料には基本的な継承のルールはあっても、それをめぐるタブーはない。この問題は戦後出てきたのではないか。とくに女性の財産継承が認められた新民法が沖縄でも適用された1957年以降だと思われる。
今後は結婚をしない人や子どもがいない人、LGBTQ(性的少数者)の家族も増えていくだろう。今の仕組みの再生産を自分の世代でとどめるためにも、父方のみならず母方も含めた家族や親族とタブーにとらわれない継承の在り方について話し合ってほしい。
(談)
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