【東京】琉球ガラスの贈呈に、金メダリストの空手演舞-。沖縄関係の会合かと思いきや、13日に都内で開かれた自民党大会の一場面だ。党本部は22年度の運動方針で、沖縄の日本復帰50年に触れながら、重点政策に「新たな沖縄振興の推進」を盛り込み、夏の参院選での勝利を目指す方針を採択した。大会では、司会進行も沖縄出身議員が担当したほか、党の功労者に琉球ガラスの贈呈、金メダリスト喜友名諒選手も空手演舞を披露するなど「沖縄色」を前面に打ち出した。9月の任期満了を迎える県知事選を天王山とする「選挙イヤー」を意識した格好だ。
党大会の様子はこちら>>自民、参院選の勝利目指す 「新たな沖縄振興」重点政策に
この日は、自民党が参院選沖縄選挙区の公認候補とした県出身で元総務官僚の古謝玄太氏(38)も登壇し、公認証の交付を受けた。古謝氏は琉球新報の取材に、「復帰50年の節目となる重要な年だと実感した。改めて身が引き締まる思いだ」と間近に迫る選挙戦への緊張感をにじませた。
古謝氏によると、西銘恒三郎沖縄担当相から参院選の打診を受けたのは、2月中旬ごろ。家族らと相談し、約2週間悩んだ末に「いい機会だ」と出馬を決めた。12日には、自民党本部で茂木敏充幹事長とも面会し、激励を受けた。
東大卒業後に入省した総務省では「地域活性化」のための政策立案などを担当。民間企業に転じてから内閣府の振興策の一環として行われた起業家支援事業にも携わった。「いずれ沖縄に帰ってそれまでの経験を還元したいという思いがあった」と振り返り、「まずは県民の皆様に顔を知ってもらうことが重要だ」と表情を引き締めた。
党大会は、進行役を県出身の比嘉奈津美参院議員が務め、党勢拡大の功労者に琉球ガラスの工芸品が贈られた。2021年東京五輪空手男子形金メダリストの喜友名諒選手が登壇し、演舞を披露するなど、「沖縄色」を前面に出す構成となった。「大会の構成には幹事長の意向が反映される」(県選出与党議員)とされ、「選挙イヤー」とも重なる復帰50年の節目で、「沖縄重視」を強調する狙いもうかがえた。
(安里洋輔)
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