沖縄気象台はこのほど、気候変動に伴う21世紀末(2076~95年)の県内への影響予測を発表した。
温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」の目標が達成できない場合、沖縄本島は20世紀末(1980~99年)より年平均気温が3.3度上昇し、記録がまれな猛暑日(最高気温35度以上)は年間49日に増えるとの見通しを示した。
予測は「パリ協定」の目標が達成され、世界の気温上昇が産業革命前と比較して2度に抑えられた場合と、達成できず4度上昇する場合のシナリオで評価した。
20世紀末の那覇の年平均気温は22.9度、猛暑日の日数はゼロ、最高気温30度以上の真夏日は93日、最低気温25度以上の熱帯夜は97日だった。沖縄で猛暑日はまれで、現在も那覇では10年に一度記録される頻度だという。
パリ協定の2度目標が達成された場合、21世紀末の沖縄本島では20世紀末から平均気温が1.1度上昇、猛暑日は1.2日増、真夏日は31日増、熱帯夜は35日増となる。目標未達成で4度上昇する場合は平均気温3.3度上昇、猛暑日49日増、真夏日88日増、熱帯夜91日増と、県内への影響もより深刻化する。
温暖化が進むと台風のエネルギー源となる大気中の水蒸気が増え、猛烈な台風が県内を襲う可能性も高まり、被害拡大が懸念される。
予測では沖縄周辺の海面水温も上昇し、「2度シナリオ」では0.89~1.00度、「4度シナリオ」では2.82~3.02度と予測された。沖縄の4地域別の予測は沖縄気象台のホームページで閲覧できる。 (當山幸都)
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