浦添ふ頭「T字形埋め立て案」国が提示、県は賛否保留 那覇軍港返還は2040年代も


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浦添西海岸。右側の建物は「パルコシティ」。

 国は30日、那覇港湾施設(那覇軍港)の浦添移設をめぐる移設協議会で、沖縄県、浦添市、那覇市に、浦添ふ頭地区北側の49ヘクタールをT字型に埋め立てる軍港用地の形状案を提示した。県はこの日で賛否を示さず、議会などへの説明を経て検討に入る考えを示した。

 県代表で出席した金城賢知事公室長は終了後、記者団の取材に応え県の試算として合意から軍港完成までの期間として「約17年」と県の試算を明らかとした。日米両政府は返還時期を「2028年度またはその後」としているが、2040年代にずれ込む可能性がある。
 

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 那覇軍港を巡って、在沖米海兵隊は2月、垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの飛来などを伴う訓練を実施した。沖縄の日本復帰時に在沖米軍基地の使用条件を定めた「5・15メモ」で主目的を「港湾施設および貯油所」としている。県はこの規定などから訓練実施に反発していた。30日の移設協議会で国側は浦添移設後の訓練実施を排除しない姿勢を示した。

 昨年3月に県と浦添市、那覇市は浦添ふ頭地区の民港部分(109へクタール)を南側に配置することで合意した。同年5月の移設協議会では国側に形状案を提示し、国側が米軍と軍港の形状について調整していた。今回、国が示した形状案では軍港部分は橋で民港部分と接続する。防波堤も新設する予定。


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