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世界平和のための秘密兵器 琉球通運代表取締役会長・新垣直人<仕事の余白>


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 「これ、どうなった? いつ入ってくる? 1本?」と毎日のように飛び交う。我々はこういう会話でコミュニケーションをとっている。

 「言葉」は、人と人が情報を交換するための橋渡しの一つである。しかし、ただの言葉ではなく、お互いの考えをマッチングさせるためのツール、「共通言語」というのがある。共通言語は、組織や部門などを横断し、お互いが同じ認識で理解できる言葉でなければならない。一つの物を作り上げる時、使っている言葉や認識にズレがあると、論点やアウトプットにズレが生じる。すると、最悪の場合、重要案件が空中分解してしまうと同時に責任も放り投げるという状況にもなりうるのだ。そうならないための秘密兵器として、共通言語が必要なのだ。

 最初に述べた1本という言葉だが、1本という言葉がもたらす状況は様々で、共通言語としての定義が無ければ、人によって齟齬(そご)が生まれてしまう。では共通言語を作るにあたり、どうしたらいいのか。一つの言葉に関してそれは何か、何のためにあるのかを考える。例えば、1本って何?「いっぽん」っていうの?それ重要なの?等、状況を明確化し、すり合わせていく。相手を考えて思い浮かべて、100%同じ情報として伝わるのが共通言語なのだ。

 「1本入りました!」は、昭和の飲み屋だが、当社の1本はコンテナを指す。色は赤。勝負の時には赤を身にまとう。強い組織には共通言語がある。共通言語で世界平和を願いたい。